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「お前、援護型だろ」
「…………」
「これならあっちに行っても大丈夫なんじゃないのかな」
「…………」
『バシュッ』
「おっと…」
一方的なおしゃべりの合間に、旋風は攻撃をするが雷はそれを軽々とよけた。
「相手を舐めるな、雷。間合いを広げるとやられるぞ」
「遅いぞ、荒」
追い付いた荒に雷は不満げに言った。
「早いほうだ。まだ、やられてもいないだろ」
「面倒臭いんだよ。演唱無しで出してくるぞ」
どうにかしろとばかりに言うと、荒は眉を寄せて呟いた。
「読めばいいだろ…」
「それが出来るのはお前だけだろうが。うわっ!」
『ザシュッ』
二人の間を風が抜けていった。草と二人の髪が空を舞った。
その光景を背に二人は旋風に目を向けた。彼は両手を広げて風を集めていた。
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