22人が本棚に入れています
本棚に追加
「避けられるように狙っている」
「接近の時は俺も巻き込まれるだろ!」
「頭を打てば少しは良くなるんじゃないのか?」
武と昴の会話に口を突っ込むウォスリス。彼は、攻撃を避ける遼に戸惑っていた。
「このオカマが。言いたい放題言いやがって…。
遼、使う許可をくれ!」
「…っ、怪我をするなよ!」
遼は目の前に生まれた錐を崩しながら答えた。昴はその言葉を聞くとニヤリと笑い、構えを変えた。
「よし、武。着いてこいよ!」
「こちらの台詞だ」
掛け声と共に、二人の姿がウォスリスの視界から消えた。そして、背後から衝撃が襲って来た。
「ぐっ…いつの間に?!」
「それは…」
「今の間に」
言葉と同時に二人は左右に別れて姿を現した。昴の手には何故かグローブがはめられていた。
「実戦では久しぶりだから、調子がでねぇや」
「紙が少ない。お前だけが行け」
肩を回しながら言う昴に対し、武は手持ちの紙を見てため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!