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「昴のペースが崩されたか…」
「あいつはただじゃ捕まらないから大丈夫だろう。
それよりも、問題はこっちだ」
遼と武は旋風が生み出した風の前に立っていた。
「どうにか出来そうか?」
「もうすぐ治まると思う。その時に旋風(アイツ)を討つ」
遼の質問に武は紙を片手に構えをとった。すると、風が治まり始め、土煙の中に人影が三つ見えた。
「いくぞ、武」
「…………」
遼の呼びかけに武は返事をしなかった。
「?どうかした…」
隣を見ると、武はウォスリスの手から伸びた針によって両肩を貫かれていた。
「武!」
「こちらに隙を見せるからだよ」
ウォスリスは近づきながら話した。遼がそちらを見ると、昴がこちらに向かって遠くから走ってくるのが見えた。
(くそっ、昴を囮にしたのが裏目に出たか…)
遼が舌打ちをすると、ウォスリスは人影に叫んだ。
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