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「あぐぁっ…」
武の顔色が無くなり、意識も飛びそうになっていた。
「反応がなくなってきちゃった…。もう、いいか」
「やめろ!」
遼は近づこうとしたが、目の前を風の刃が通りぬけ、距離を広めてしまった。
「さあ、時守遼。お前のせいで彼は犠牲となるんだよ…」
ウォスリスはうすら笑いを浮かべ、遼に言った。
「俺のせいで…」
「そうだ。お前が生きているから誰かが犠牲になるんだ」
「遼…そいつ…の話しを聞く…な」
「お前は黙っていろ」
ウォスリスは言葉を紡ごうとする武を、貫いている針を捻ることで意識を飛ばさせた。
「ふっ、さて、時守遼。大事な仲間が死ぬところをしっかり見ておけ」
ウォスリスの叫びに水が反応すると、何百という錐が武に向かって伸びていった。
そして、『それ』は起こった。
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