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「貴様には力は使わない。勿体ないからな」
「なっ、なにぃ!」
馬鹿にされた事が理解できたのか、ウォスリスは憤慨した様子で視線を遼に向けた。
「はっ、俺の目的はお前だよ!時守りょ…」
『ゴキッ』
「貴様が気安く言える名前ではない」
一瞬の間にウォスリスの後ろに移動した彼はウォスリスの首を横に蹴り体を地に沈めさせた。
「ウォスリス…」
仲間がやられたのにも関わらず旋風はその場を動かなかった。いや、動けなかった。
「貴様もやるか、『風使い』よ」
「ぐっ…」
旋風は小さく呻いた。余りにも力の差があることに彼は気がついていたのだ。
「くそっ…」
旋風は自分を中心に風を放った。たちまち、辺りには土煙で視界が悪くなった。
「うわぁ!」
「大丈夫です」
視界の悪い中、いきなり遼は誰かの胸に引き寄せられた。それは声を聞くことで判別ができた。
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