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やがて、土煙が収まると、地に伏していたウォスリスが旋風に肩を捕まり立っているのが見えた。
「これで済むと思うなよ」
「負け犬の遠吠えだな」
「くっ、今度は命の覚悟をしておけ!」
「………」
ウォスリスは遼を抱いたままでいる彼の言葉にショックを受けつつも、捨て台詞を言って水を巻き上げた。その間、旋風はなぜか遼をじっと見ていた。
「また来るからな!」
この言葉を残し、二人は消えていった。後には、緊張が切れて片膝をついている雷と荒に、やっと追い付き肩で息をしている昴。そして、謎の青年に抱き包まれた状態で固まっている遼が残った。
「あの、もう大丈夫だと思うんだが…」
「あっ、すみません遼様。ご無礼をお許しください。」
遼の言葉に青年は遼の足元で片膝をつき頭を垂れた。その姿に遼は狼狽し、他の三人は困惑した。
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