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「俺は飲み物を作るから、荒は怪我の治療をしていろ」
「別に、これぐらい舐めればなお…」
「舌に塩をなすり込んでやろうか?」
「…する」
「よし、武はソファーに座らせておけ」
二人がうきうきと掃除をしている間に、遼は全員分のお茶を用意した。
『終わった!』
「お疲れ。怪我の治療をしたら飲んでいいぞ」
「遼、治療終わった」
「はい、荒。ほうじ茶だ」
遼は荒に湯飲みを渡すと、武に近づいた。
「武、お茶だ。暖まるぞ」
「ありがとう…」
武は眠っていたのか、目を半分閉じた状態で湯飲みを受け取った。
「いちっ、雷、あんまり乱暴にするな」
「届かないからやってるのに、何だよその言い草は!」
「おい、遊んでいるとお茶が冷めるぞ」
「俺、おーわり。おー、暖まる…」
「この恩知らずが…」
ぶちぶち文句を言っていた雷もお茶を飲んで顔を綻ばせていた。
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