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「申し訳ございません」
ウォスリスは頭を地面につくほど下げていた。その先には、階段があり頂上では一人の男性が座っていた。
「なんてことだ。時守遼の抹殺を失敗したばかりか、仲間の一人を開放するとは」
「本当に申し訳ございません。ご主人様、何とぞもう一度チャンスをください…」
「ウォスリスよ。我はお前の力を信用していない訳ではない。だが、ここまで狂うとは…」
「だから、僕が行くって言ったんだよ」
ウォスリスが声のする方を向くと、小学生ぐらいの茶髪の少年が姿を現した。
「一回やられた時にやめればよかったんだよ」
「まだ、お前には早い。力を過信すると後で大変な…」
「ウォスリスには言われたくないな。力の使い方は僕の方が上手いんだから」
笑いながら言う少年にウォスリスは苦虫を潰した顔をした。
その様子をみていた男性は少年を指差して命令した。
「では、今度はお前も行くが良い」
「やったー!」
少年はその言葉が嬉しかったが、なぜか声がとまった。
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