第4.5章 裏話

2/3
前へ
/218ページ
次へ
「申し訳ございません」  ウォスリスは頭を地面につくほど下げていた。その先には、階段があり頂上では一人の男性が座っていた。 「なんてことだ。時守遼の抹殺を失敗したばかりか、仲間の一人を開放するとは」 「本当に申し訳ございません。ご主人様、何とぞもう一度チャンスをください…」 「ウォスリスよ。我はお前の力を信用していない訳ではない。だが、ここまで狂うとは…」 「だから、僕が行くって言ったんだよ」  ウォスリスが声のする方を向くと、小学生ぐらいの茶髪の少年が姿を現した。 「一回やられた時にやめればよかったんだよ」 「まだ、お前には早い。力を過信すると後で大変な…」 「ウォスリスには言われたくないな。力の使い方は僕の方が上手いんだから」  笑いながら言う少年にウォスリスは苦虫を潰した顔をした。  その様子をみていた男性は少年を指差して命令した。 「では、今度はお前も行くが良い」 「やったー!」  少年はその言葉が嬉しかったが、なぜか声がとまった。
/218ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加