22人が本棚に入れています
本棚に追加
時は流れ、遼は父親に鍛練中に呼び出された。その場で中断し汗を流してから、父親が待つ部屋に向かった。父親は家の奥にある離れに呼び出していた。
「失礼します、遼です」
「いいから座れ」
遼は襖を開け、部屋の中がいつもと違うことに気がついた。父親だけでなく、母親が同席しているからだ。遼はその意識を一旦振り払い、父親が示した場所、父親の右斜めの母親の正面に座った。
「何か御用でしょうか?」
「今日は私の古い友人が来る。お前に会いたいそうだ」
「私に?なぜですか」
「それは紹介したい人物がいるからだ」
父親の言葉に不信感を抱きながら遼は客人を待った。すると、一人の女性が客人を案内してきた。
「久しぶりだな、時守」
「今日は招いてくれてありがとう」
客人は八人だった。その内、四人は遼と同じぐらいの少年達だった。
「さて、時守。彼がそうか?」
一人の男性が遼を見て言った。
最初のコメントを投稿しよう!