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「ああ、力は劣るが、技術に関してはお前達の子供よりも上だ」
「そのようだな。しっかりとした『自分』を持っている者の眼をしている」
遼には父親やその友人の言葉は耳に入っていなかった。
(なぜ、子供がいるんだ?
自分に会いに来たのなら大人だけでいいはず…)
四対の視線を感じながら遼は父親の思惑を考えていた。殺気は含んでいないが、品定めをされているように感じていた。
(…気分が悪いな)
「ちちう…」
「遼、紹介しておこう。お前の許婚の四人だ。実力、技術共に優秀だ」
「はぁ…」
いきなりの展開に遼の頭は一時的に止まった。
「将来、お前がこの家を継ぐときに力となる」
「…それは決定事項ですか?」
「そうだ、お前に拒否権はない」
「わかりました」
(理解してみれば簡単だな)
次々と話が進んでいるのではなく、以前から決められていた事に気がついた遼は怒りを殺しながら返事を返した。
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