第2章 一筋の陰

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『ピシッ』 『バシッ!』  撃った時の音よりも、壁に当たった時の音の方が鋭かった。雷は、この衝撃で自分の額に当たったのかと思い、少し血の気が引いていた。 『ガラッ』 「全員席に着け、HR(ホームルーム)を始めるぞ」  今日の授業は全学年、5限目までしかないのだった。 「連絡は特にない。だが、明日からの連休では羽目を外すようなことをするなよ」 「そんなの、わかんねーよ。先生」 「羽目を外した者には、もれなく先生’Sの説教と課題がついてくるぞ」 『…………』  ふざけ調子でいった生徒を含め、全員が口を閉ざした。その様子をみて担任は軽く挨拶をして終わった。 「ふう…さて、行くか」 「ああ、行こうぜ」  雷と遼は教室を出て、三人との待ち合わせ場所へと向かった。
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