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「……遼、どうかしたのか?」
「…………」
「お前達を待っている間、ずっとこの調子だよ」
武の呼びかけにも無反応な遼を見て、雷はため息をついた。
「一回だけ声をかけたら、物凄い不機嫌な声で返事された」
『………ご愁傷様(自分じゃ無くてよかった)』
3人の本音が聞こえたのか、雷は恨めしげに睨んだ。
ふと、荒は遼の前で手を振り尋ねた。
「何か……感じたのか?」
「…………」
遼はぼんやりとしたまま、返事をしなかった。
「返事無し、…どうする?」
このままでは、帰る事ができないと武は眉をひそめた。
目的は遼をどうやって正気に戻すかであり、連れて帰る方法は考えなかった。
理由は……また今度話すとしよう。
「あっ、………一つだけある」
「なんだ?」
昴の言葉に武は先を促した。他の2人も昴を見ていた。
「だけどな、犠牲者が出るんだよな」
だが、昴は案を出してから腕を組み、頭を傾げた。
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