第3章 馬鹿(?)の襲来…かな

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「……遼、どうかしたのか?」 「…………」 「お前達を待っている間、ずっとこの調子だよ」  武の呼びかけにも無反応な遼を見て、雷はため息をついた。 「一回だけ声をかけたら、物凄い不機嫌な声で返事された」 『………ご愁傷様(自分じゃ無くてよかった)』  3人の本音が聞こえたのか、雷は恨めしげに睨んだ。  ふと、荒は遼の前で手を振り尋ねた。 「何か……感じたのか?」 「…………」  遼はぼんやりとしたまま、返事をしなかった。 「返事無し、…どうする?」  このままでは、帰る事ができないと武は眉をひそめた。  目的は遼をどうやって正気に戻すかであり、連れて帰る方法は考えなかった。 理由は……また今度話すとしよう。 「あっ、………一つだけある」 「なんだ?」  昴の言葉に武は先を促した。他の2人も昴を見ていた。 「だけどな、犠牲者が出るんだよな」  だが、昴は案を出してから腕を組み、頭を傾げた。
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