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「武、どうかしたのか?」
「いや、声が聞こえたような…」
「気のせいだろ?それよりも、そろそろ離したらどうだ」
武は睨みつけると同時に遼を抱き寄せたのだ。
「あぁ?いいだろ、もう誰もいないんだしよ」
「あいつらを退かしたのは俺だ」
よこせと言わんばかりに荒は武の肩を掴んだ。
「っ…冷静な奴だと思っていたが」
「その言葉、そのまま返してやるよ」
「ちっ……ほら」
武は遼に何か呟くと荒に渡した。
「うわっ…」
「おっ…」
荒が遼を抱きしめると、遼の髪に顔をうずめた。武は気を失っている二人に近づいた。
「荒、苦しい…緩めろ」
「ああ、すまない」
武は遼を抱きしめる時に力加減をしていたが、荒は力加減が苦手でおもいっきり抱きしめていた。
荒が力を緩めると遼は息をつき俯いた。
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