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「?……どうかしたか?」
「そろそろ離せ」
遼が答えると荒は眉をひそめ、抱きしめる力を強くした。
「いやだ」
「……恥ずかしいんだよ!」
遼は叫ぶと荒の鳩尾に拳を入れた。
「ぐっ…」
唸り声と同時に力が緩むと、遼は腕から抜け出した。
「おまえら、起きやがれ。帰るぞ」
『ぐえ…』
武は雷の腹を蹴ると、並んでいた二人は同じ衝撃を受けた。
「お前も正気に戻れ」
いつの間に近づいたのか、遼は二人を蹴った武の背中を蹴った。
「いっ……あれ、俺はいったい…」
「なんてベタな…」
「いてっ、腹が…。雷、重いからどけろ」
四人がうずくまっているのを見て、遼はとうとうキレた。
「お前達、いい加減にしろ!狙われている自覚はあるのか!」
突然の大声に四人はそのままの姿で固まった。
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