第3章 馬鹿(?)の襲来…かな

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「たくっ、俺だけかよ、真剣に悩んでいるのは。もう、いい」  遼はキレた状態で一人門を出て行った。 最初に戻ったのは昴だった。彼は上に乗っかっている雷を押しのけ、遼の後を追った。 「あっ、待てよ。遼!」 「たくっ、参ったな。俺の女は」 「……あんまり無駄口叩くと何かが飛んでくるぞ、雷」 「へっ、こんだけ離れていて飛んでくる物なんてないよ。荒は変な所で硬いんだから」 「いや、前からじゃなくて」 「後ろから来るかもな」 「うわっ、…武か。驚かすなよ」 「言葉を選べ、雷。遼は束縛を好かない」 「さっきまでとは全然違うな。あれくらいでキレるなよ」 「……お前達二人がキレさせるような事をするからだろう」  雷、荒、武は二人より遅れて走っていた。これらの会話は全て走りながらのものである。  雨は小降りとなっていた。霧雨と変わって五人の身体を濡らしていた。
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