第3章 馬鹿(?)の襲来…かな

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 そして、そんな五人の姿を見て笑っている者がいた。五人の遅刻の原因を作った張本人、ウォスリスだった。彼はフードを被らずに髪を雨に濡らしていた。 「まさか、こんな偶然があるとはな」 「愉しそうだな、ウォスリス」  後ろに立っていた一人が呟いた。同じような服装だが、こちらはマントのフードを被り口元しか見えない。ウォスリスは振り向くと、彼に含み笑い向けた。 「『愉しい』ね。どん底にたたき落とした時のあいつらの顔を思い浮かべると、よりいっそうね…」  再び笑うとウォスリスは着ていたマントを翻し、フードを被って彼に言った。 「いくぞ、あの五人の抹殺に…」 「…分かった」  彼はマントに付いているフードを深く被り直すと、腕を横に振った。すると、水が舞い上がり彼等の姿を隠した。
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