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「くそ、せっかく乾いたと思ったのに」
「霧雨はどうしても濡れるからな」
五人は濡れ鼠になって遼の家に着いた。そして、遼はリビングに入れた四人にタオルを渡した。
「おい、何処をみている?」
「えっ、いやぁ…」
自分のタオルで髪を拭いていると、遼は横から視線を感じた。そして、視線を向けている本人、昴を睨み付けると、彼は吃った反応をした。
「昴、お前まさか…」
その反応に荒が目を細めると、昴は手を顔の前で振った。
「ち、違うぞ。断じて違う。遼が濡れているのが色っぽいなんて思っていないからな」
「へぇ~…色っぽいね~…」
「あっ…」
その言葉に遼は冷たい視線を昴に向けた。彼は言った後で自分が墓穴を掘った事に気付き、顔を青ざめた。
「この馬鹿が…」
「馬鹿正直…」
「そうだと思った」
他の三人は自分に被害が来ないように二人から距離を取った。
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