22人が本棚に入れています
本棚に追加
「なっ…!」
「…………」
「はぁ、ありがとう荒。助かった…」
「流石だな、すまない」
「狭い空間で風を起こすな」
そこには怪我を負っている様子がない五人の姿があった。荒が四人の前に立ち、腕をクロスしていた。
「なんで、無事なんだ?」
ウォスリスは目を見開いていると、隣で旋風が腕を戻した荒を見ていた。
「風使いか…」
「そんな力ではない」
「それでは、何故止めることが出来た?」
「知らない。生まれ持った力だ」
「そうか…」
旋風と荒が話し終えると、遼が後ろから荒に話しかけた。
「荒、世間話はそれくらいにして、怪我はしていないか?」
「かすり傷も負っていない…」
荒の反応に頷くと、遼は作戦を説明した。
「よし、それならいい。お前は雷と組んで旋風の相手をしろ」
「…一人の方が良い」
「駄目だ。俺は他の二人とウォスリスを相手する。手が空いたらそっちの加勢に向かうから」
最初のコメントを投稿しよう!