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(あれ…?何か騒がしいな。)
目を開けると、そこには昔見た様な風景が広がっていた。
それは僕が待ち望んでいたものだった。
「やっと来れた…。」
思わず独り言が出てしまう。ふと気付けば、珍しいものを見る様な目で僕を見ている一人の老人と目が合った。
格好は周りの人と同じなので、目を閉じたまま道のど真ん中に立っていることを不思議がっているのだろう。
「すみません。ここがどこなのか教えて下さいませんか?実は私、旅をしていたのですが、道中に山賊に襲われまして…。すっかり道に迷ってしまったのです。」
これは警戒されない様に前もって考えていたことだ。予想通り老人は僕への警戒心を解き、口を開く。
「それは可哀相に…。ここは袁紹様がおわすギョウ城じゃよ。わしに何か出来ることがあれば良いのじゃが…。すまぬな。」
僕は老人にお礼を言ってその場を離れると、これからについて考えた。
「袁紹か…。」
袁紹とは前に敵対している。果たして袁紹は敵だった者を迎え入れてくれるだろうか…?
その時、僕はあることに気付いた。腰に提げている袋。そして、中には一冊の本。
それを見た僕はギョウ城に急ぎ足で向かった。
「…ここか…。」
そして、今に至っている。
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