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視界が揺れる。身体が熱くて、痛くて、堪らない。でも、
「ッ、ぐ、――!!」
「ハッ、こいつしぶてぇな、オラ!ホラホラホラ!!」
「くくく、俺らもラッキーだよな。こんなのが■■なんてよっ!!」
何を言ってるのかは理解できないけれど、大事な、大切な、大好きな人が、
「…っうぁああああっ!!」
傷つけられているのは、本当だから。
叫び声をあげながら、少年は再び男達に突っ込んでいった。
「うわああああああっ…!!」
弾む吐息。バクバクと跳ねる心臓。冷たい感覚。
頭に甦るのは、繰り返される あの日のこと。
乱れた呼吸と纏まらない思考に揺れて、頭がグチャグチャになる。
「…ッハ、ハ、…は、ハ、…」
少しずつ高ぶった感情と体を鎮めて深呼吸する。
ぐっしょりと湿ったシーツに顔を歪めながら、震える身体を抱え込んだ。
スッと、ドアの前にあった気配が音も無く離れた。
ただ震え身体を強く抱え込むことしかできない少年の姿を、見て。
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