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「ちょ、おまえなァ…!!」
男が少年に注意しようとした瞬間、小さな声が下の方から聞こえた。自分に飛び付いた、少年の、ほうから。
「――僕は、いちゃだめ…なの?邪魔だった?料理できないから?僕が、僕が――」
「…バーカ。 ンなわけ、ねーだろ?」
声も、身体も震えている。握りしめる手に力が籠る。
はあ…、と溜め息を吐いて、髪をくしゃりと乱した。
ああ、どうしてこんなに懐いたのだろうかと苦笑してから、ゆっくりと少年に話す。
「おまえを拾ってから、10年経つよな…?」
小さく頷くのを見て、男は続ける。
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