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目線だけ上を向けてみる。
激しい上目遣いである。
男の上目遣い・・・。
見られているほうはさぞ気持ち悪いだろう。
「女の子?しかも激可愛い」
男の言うとおり彼女は可愛かった。
綺麗な茶色の髪の毛に目はパッチリしている。
鼻筋も通りものすごい小顔だ。
誰が見ても美少女と認めるだろう。
カミクと同じ人間とは・・・・
(まぁ美しさでは俺と同等くらいかな。)
・・・思えない。本人に自覚がないことは悲しいことだ。
(てか、ついしゃべっちまった。
銃口を当てられているのに・・・。)
「この空気を読めなさ具合といい
無駄なハイテンション具合といいさすが
あの人のアレね・・・」
そういうと女の子は銃口を男の頭から離して一歩距離をとった。
「あの人ってだれ?」
ようやく顔を上げれた男はとりあえず聞いてみる。
「ふふふ。必ず会うことになるわよ。カミク・G・エターニア君」
「なんで俺の名前を・・・。」
「それはね、私があなたの・・・母親だからよ。」
「・・・ハッ?」
確かにカミクには母親がいない。
幼少のころに俺の命と引き換えに死んでしまったからだ。
無論カミクは母親の顔は覚えていない。
「嘘よ。」
「ウォイ!」ビックリしたことが恥ずかしかったのかカミクは大声でごまかす。
「で本当の理由は?」
尋ねると女の子はおもむろに銃を再度押し付ける。
「教えてくださいでしょ? ボウヤ・・・(ハート)」
「はい!この犬めにどうか教えてください。女王様」
手を上げて卑屈になるカミク。
(なにがハートだ。ちょっと可愛いからって調子に乗りやがって。)
可愛いのは変わらないらしい。
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