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―――ここは…何処だ…俺はこんな世界知らない…。
俺は…なんでここに居るんだ?
「…君は誰…」
俺の前に2頭身ほどの子供が立っていた…。
「僕は…この世界の番人さ」
「ここは何処…」
俺は子供に尋ねたが子供は黙った…。
「番人―」
一人の幼い声が俺の前を通り過ぎた。
「どうしたんだ?」
「『 』が足りないんだ!」
「『 』が?どうしてもっと用意をしてこなかったんだ」
―――なにが足りないんだ?…聞こえない…。
回りの子供も慌しい…大人なのは俺だけみたいだ…他は皆子供だ…。
「何かあったのか…?」
「今日は王様の誕生日記念なんだ、それで皆で晩餐会を開くの。王様赤が好きなんだけど…赤が足りなくて困ってるんだ…」
「…へぇ…」
だから部屋中真っ赤なのかと言う感じでキョロキョロと見渡した。
「…?…」
少年は気が付いたようにこの辺りの子供達を見渡した。
―――…何で俺の回りの子供達は俺を見てにやけてるんだ…?
「…どうしたの?何か気になる?」
「え…いや…んー?何か皆俺のこと見てない?」
「…?…あぁ、素材が見つかったからさ」
「…赤の…?」
子供は上下に頷いて見せた。
「良い素材が見つかったね…」
「ねぇ…王様もきっと喜んでくれるよ…」
くすくすと少年を取り囲む子供達は笑っている。
―――番人は俺の方向を見て―――俺じゃない誰かを見て、ニタリと笑いかけたんだ。
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