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家族と幼馴染以外の人と話すのは久しぶりなんだから、顔を見て話すには心の準備が必要なのだ。
(……私の妄想の産物、もしくは夢なのだからその辺は理解していて欲しい)
「夏目、琴葉だ」
「夏目サン、ね」
少年は上から下まで一通り琴葉を眺めると、またあの優しい笑みを浮かべた。
「助けてくれたお礼。一つ忠告してあげるよ」
少年はそう言うと、軽くその場でジャンプする。
ふわりと浮いた身体は琴葉の身長の高さ程でぴたりと止まった。
――そう、止まったのだ。
『空中』で。
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