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「……!」
言葉を失う彼女を楽しそうに見下ろして、少年はさらに浮上していった。
「天使とか素面で言える“夢見る乙女”はやめなよ。そんなのは小さくてふわふわした縦ロールの似合う子に任せておけばいいんだ。とりあえず君、本当に怖いから。……じゃあね」
笑顔で暴言を吐いて高く舞い上がって姿を消した少年を、琴葉はただ呆然と見ていることしか出来なかった。
暴言へのショック。
それはある。
でも、それより何よりも――彼女は嬉しかった。
天使は本当にいたのだ。と… …
琴葉は心の中で激しく興奮している自分を、確かに感じていた。
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