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「……とまぁ、以上が学校内の案内だ。憶えたか?」
最後の締めに屋上へと案内し、先ほど案内した購買で買った昼ごはんを一緒に食べる。
これでこの学校案内はこれ以上ないほどに完璧だ……と琴葉は達成感に浸っていた。
――だが、この転校生はどう思っただろう?
そう思った瞬間、達成感は不安へと変わり(表情にはまったく出ていないが)内心、心臓が破裂しそうなぐらいドキドキしつつ問いかける。
すると、暫し無言だった疾風はゆっくりと琴葉の目を見つめてにっこり微笑んだ。
「あんな案内で憶えられるわけないだろ、この役立たず」
(顔には全く出ていなかったが)琴葉は心に深い傷を負った。
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