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(……ちょっときつかった、かな?) すっかり黙り込んでしまった琴葉に対し、さすがの疾風にも多少の良心の呵責があったのか、幾分か優しげな声色で呼びかけた。 「夏目サン、何黙ってんのさ」 (職員室へ今度はしっかり案内して、先生の一人ひとりをきちんと紹介すべきかもしれないな……) 「……顔が怖いんですけど」 (いやいや! それよりも図書室にて学校の校風や成り立ちを説明しなければ、本当の意味での学校案内にはならないだろう。すっかり失念していた) 「…………」 これは駄目だ。 まったく声が届いていない。
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