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疾風は眉根を寄せて嘆息する。 「……まったく。めんどくさいヤツだな」 そして。 「全くためにならなかった学校案内のお礼、してあげるよ」 やれやれと言わんばかりに、琴葉の手首を掴んだ。 それでふと我に返った琴葉は、目を大きく見開いてきょとんと首を傾げた。 「お礼って?」 ―― 熊一頭くらい軽く退散させそうなその眼光の鋭さに、疾風は一瞬怯んでしまう。
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