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「……天乃河?」 その声で我に返った疾風は、気を取り直して空いているほうの腕を琴葉の腰に回し―― 自分のほうへと引き寄せた。 「む?」 怪訝な顔をする琴葉に、疾風はにんまりと可愛らしい笑顔を向けた。 「オレにしか出来ない、お礼ね」 「何だ、そっ――」 「……よっ」 「……ぅわわわぁぁぁっ!!」 ―― 疾風の小さな掛け声と琴葉の雄たけびとほぼ同時に、二人の身体はふわりと空中に舞い上がった。
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