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「…わかりません…良くわからないのです、羽根が…あの羽根が刺さって…そこから腕が…」
「羽根だと?」
剛宋、と先ほど呼ばれた僧が忌々しげな声音を放つ。
先んじて受けたこの男からの暴挙が脳裏をかすめ、頼りない肩がびくりと震えた。
「そんなものがどこにある、ここへ来てから獣の羽根など目にする事はなかったぞ!」
「う、嘘ではありません、本当に…」
「もうよい剛宋。声を荒げるのはおやめなさい」
しかしと食い下がるも再び穏やかな声音で押しとどめられ、
屈強な僧は聞き分けの悪い子供のように納得のいかない体でふいと顔を背けると、足音を荒げながら部屋をあとにした。
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