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己の体を気遣い出て行く高僧の姿を、 少年は扉に錠のかかる音のするまでずっと見送っていた。 格子窓の外に広がるまばゆい朝日に照らされた深緑。 その木々の合間から何がしかの視線を感じた気がしたが、 構うことなく細い手は目の前の箸を取り上げ 白米を一口分だけすくい上げた。 .
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