ベスの居る風景

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 餌代に清掃用具購入代、本来無用な出費が増えたのだが、それを多少でも後悔しようものなら、ベスとの生活で得られるそれ以上の幸せが消えてしまうだろう。  突然と消えたバッグやベスの歯形の残った靴でさえ、愛しいと思える日常がそこにあった。セリカには何物にも代え難い日々だった。  ベスは、推定で八歳は年上の愛猫マルとも直ぐに仲良くなった。鼻をくんくんさせてマルの臭いを嗅いでは、何だかとても安心した
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