ベスの居る風景

50/61
前へ
/63ページ
次へ
けたのか、思い出すのも難しかった。それが悔やまれてならなかった。  九月初旬のある日、後数日で仕事が終わるという安堵感に包まれた夜、セリカは一人宿泊先で寛(くつろ)いでいた。ほっとする時間の筈だったそのとき、セリカの携帯電話に思いもよらぬ知らせが届いた。 「もしもし、ナンバです。セリカさん、セリカさん、ああ、どうしましょう? ベスちゃんが、ベスちゃんが…」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加