ベスの居る風景

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。  ベスに会いたいと思っていた。何処か一点に意識を集中して念じれば、ベスが帰ってくるとさえ思えた。だが、冷静さが蘇ってくるに連れて、理性が語り掛けた。  もうこの世にベスは居ない。セリカとベスの間には、途方もない空間と、絶対に縮まらない二年という時間が存在しているのだ。  だが、セリカの全身は未だ震えていた。悪寒もする。
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