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梨恵さんの時も よく高城は こんな表情をしていた。
いつもの生意気そうな、悪ガキっぽい顔じゃなく、年相応の 大人の顔。
もう ずっと見ていなかったのに。
どうすればいいか 分からなくなる。
動けなくなる。
「安倍が 告白なんてするなんてな。なんか…、そういうの無縁かと思ってたよ。」
そう言いながら 意地悪そうな瞳を向ける高城を見て、金縛りがとけた。
「なっ!? 昔から失礼なんだよっ。あたしだって 恋愛くらい…。」
あ…やばい。
止めないと 止めないと…。
高城に 一生からかわれるじゃん。
そう思っても、涙は止まってくれなかった。
昨日 博雅に電話してからの 緊張とか。
さっきの高城の顔とか。
昔 高城に言われた言葉とか。
いろんなモノが 入り交じって。
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