えぇー…っ!?

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   もう いっそ一息に…。  引き延ばしたって 振られる時は 振られるんだからっ。  「あ、あの 西園寺。あたしね…、あたし…。」  「これ、何?」  あたしの 勇気振り絞った 告白をっ。  途中で 止めないでよぉ。  …って、何!? 視線の先をたどると、あたしの首すじ。  ァワワ…。  テンパり過ぎて すっかり忘れてた、キスマーク。  「こっ、コれは 高城ガ…。」 博雅が あたしの手首を強く握ってきたので 続きを言えなくなった。 いつの間にか近づいていた博雅の瞳に あたしが映る。  どうして そんな怖い顔で あたしを見てるの? 手首の骨が きしむ音が聞こえる気がする。 でも、博雅の冷たい顔に 悲鳴をあげる事も 抗議する事も 出来なかった。  何か 言わないと。それは分かるのに 何を言えばいいか分からない。    
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