えぇー…っ!?

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   「無防備で無邪気で…。罪だよね。」  「つみ?」 あたしを見つめる 博雅の顔が、さっきの高城とダブって見える。  「カノンさんの、罪。」 そう言うと、唇のすぐ側に キスをした。  なんか 違う。  望んでいた事と 違う。  いつもの 少し照れた顔や、変態っぽい顔じゃなくて。  無表情に あたしを見つめる顔は。  怖くて。 顔をそむけた。  「僕を、見て。」 博雅は あたしのアゴを掴むと、無理矢理 自分の方へ向かせた。 瞳が あたしを捕らえたまま 離さない。  頭がクラクラする。    「そんな顔するから 勘違いするんだよ。」  勘違い!?何の事?  頭が 働かない。 いつの間にか ソファーの背もたれと 博雅に挟まれていて。  「僕は 諦める気はないよ。」 博雅が 耳元で冷たくささやいた。    
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