287人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
松浦さんの証言が犯人を導き出すことに重要な役割を担っている。
今頃、犯人は焦っているはずだ。
「――あ…っ!思い出した!
新婦の杏子さん…後ろ姿しか見えなかったけど…あれは別人…?
たぶん、別人だったと思います」
「そうなんです…実は松浦さんが杏子さんの部屋を訪ねた時…
杏子さんは、別人と…育美さんと入れ替わっていたんです。
本人の口から、聞き出しました」
「――えっ!本当ですか?!💦」
「何のために…」
「若林さんと会うため…です」
みんなの視線が3人に集まる。
「……今だから打ち明けますけど…私、結婚したくなかった。
…でも、新しい事務所からの命令だから割り切るつもりだった。
これは『仕事』なんだって。
だけど…やっぱり、ムリ。
私には和彦さんしかいない――」
「…いつまで、そんな安い芝居を続けるつもりなんだよ…!
そんなことして…なんになる?」
(な、直人っ!また勝手に…)
いいから引っ込んでな。
「どういう意味…?」
「アンタに、ドラマの話が来ない理由が何となく分かるよ。
そんなダイコン役者ぶりじゃあ…誰も採用しねーよな。ホント…
見てて笑えてくるぐらい…
マジで滑稽な芝居だよなぁ…!」
「直人が出たーっ!」
「直人…!言いすぎよ!💦」
外野がうるせぇな。
(あ~…もうっ!好きにして💧)
言われなくても好きにするさ。
「ちょっと!ひどいわよ!
だれがダイコン役者だなんて…」
「アンタもだよ」
「なんですって…!」
「育美…っ💦」
こいつらの表情を見れば分かる。
それらしい顔つきになったぜ。
「アンタは雪野杏子に頼まれて、彼女のドレスを着ていた。
その間…雪野杏子と若林和彦は、つかの間の逢瀬を楽しんだ。
アンタたちは、お互いにアリバイ証明をしながら別のことを…
本当は違う目的を遂行していたんじゃないのか…?違うかい?
その顔…図星なんじゃねぇの?」
「な、なんのことよ…!
言い掛かりは、やめて頂戴!」
メンドくさい女だな。
(……代わろうか?💧)
いい…オレがやる。
そうだ…オレがやるんだ。
オレがやらなきゃいけないんだ。
「単刀直入に言うか…加護誠治を殺害したのは…アンタらだろ?
アンタら3人が犯人に違いない」
オレが化けの皮を剥いでやるよ。
最初のコメントを投稿しよう!