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オレが導き出した真実…それは、1対3の殺人計画…その流れ…
それらは、すべて分かっている。
「3人が…犯人?」
「加護誠治を殺害したのは、若林和彦と雪野杏子と南田育美だ。
あの3人は、同じアリバイを確保するために動きながら…
違う目的で動いていたんだよ!」
「若林さんと杏子さんが再会している間…育美さんは自由です。
松浦さんに自分の姿を目撃させて移動すればいいんですからね。
しかし、3人は共犯じゃない…」
「共犯じゃない…?」
「3人が共犯じゃない証拠の1つとして…殺害方法を挙げるか。
加護誠治は、頭を殴られ首を絞められ心臓を刺されて死んでた。
その中で死因となっているのは、頭部損傷による内出血だった。
そこで、オレは疑問を感じた…」
オレは関係者を見渡した。
「…どうして、そんなことをする必要があったのか…だよ。
加護誠治を殺したかったんなら、そこまでする必要はねぇだろ?
だけど…犯人は3つの殺害方法で加護誠治を殺害してしまった。
そこで1つの可能性に気づいた」
「犯人が3人いる…か」
ヤバい…そろそろ、眠くなって…
(――えっ!ちょっ!💦
直人!あと少し、がんばってよ)
悪い…あとは頼んだぜ――…
そこで意識が変わった。
直人…ホントに寝ちゃったんだ💧
「もし、3人が共犯なら…3つも殺害方法を用いる必要はない。
犯行時刻がバラバラなら、凶器を始末した時間も違うはずだし…
それなら犯行は充分に可能です」
気を取り直して続けようかな。
「恐らく、頭を花瓶で殴ったのは南田育美さんだと思います。
若林さんと杏子さんが会っている間に加護さんの部屋へ向かい…
頭を花瓶で殴って、割れた花瓶を回収し…焼却炉へ投げ入れた。
処分するのに適してますからね」
「幸人、戻った」
「きっと、直人が寝たのよ」
育美さんのアリバイは、化粧室にいたということだったけど…
実際に彼女を見た人はいない。
しかし、彼女が化粧室で着替えて杏子さんと入れ替わっていたら…
それなら、納得できる話しだ。
「そんな…南田様が…」
「しょ、証拠はあるの?
わたしが殺したっていう――…」
「――もちろんです。
この花瓶の欠片の中の赤いもの…あなたなら、分かりますよね?
これが何か…分かりますよね?」
「――っ!」
育美さんは言葉を失った。
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