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?「ここか。依頼のあった雪山は。」
雪山の麓の河辺を歩いていた人物がそう呟く。
その風貌は変わっていた。
どこか重厚さを感じさせる西洋風の金色の甲冑に身を包み、その背中には背丈と同じくらいはあろうかという長刀を装備していた。
「しかし、静かだな。」
ギルドから
《狂暴な轟竜が暴れているから討伐して欲しい》
という注文(クエスト)を受けて来たのだが、今のところ周囲にターゲットは見当たらない。
今日は雪山にしては珍しく空は晴れ渡り天気もいい。
野ではガウシカが暢気に草を食べているし、川では人が流れている。
何も異変は……
「………………人?」
思わず振り返り川を凝視する。
そこには、
黒い外套を纏った男がドンブラコ~ドンブラコ~と流されていた。
「……て、流されたら駄目だろ!!?」
慌てて川に入り男を引き上げた。
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