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「……息はしているみたいだな。
しかし、なんでコイツはこんな格好でこんなところにいるんだ」
助けた男の服装はとても雪山に行くためとは思えないほどに軽装だった。一応黒い外套を羽織ってはいるが、正直十分な防寒装備とはとても言えない。
「ん?コイツ………」
よく見ると腰に長い棒状の物をさしている。
「これは……」
気になり手にとってみる。
持ち手を握り鞘から引きぬく、
すると、白銀の片刃の刀身が露になった。
「やはり、太刀……か。
ならコイツも………なのか?」
未だに気絶している男を再び見る。
「……とりあえず村まで連れ帰るか」
男を背負うと、甲冑を纏った人物は踵を返し雪山を去っていった。
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