出逢い

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        私達が出会ったのは あの日より少し前…     貴方と別れたあの日から 1年前の春だった       桜が舞う季節 温かい太陽の光     大学の中庭     春の風に踊る花 静かに囁く木々   まるで 子守唄のように歌う 小鳥たち…     私はふと立ち止まった     桜の木の根元で眠る人     それが、私と誠人との初めての 出逢いだった…       気持ちよさそうに寝息を立てる貴方は、 人形のように奇麗で 子どものように可愛くて   目が離せなかった     いったい、起きたらどんな顔をするのだろう… どんな声で話すのだろう…     私はただ見つめていた…  
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