第一章‐希望、絶望

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 もし、この場で僕が破廉恥な行動に出たとする。      ~悠の妄想・除霊編~   「それっ!」   「きゃあ!」    僕は深恋のスカートをめくった。   「ふふふ……」   「悠くん、やめて!」    必死に叫ぶ深恋。   「だが断る!」   「ええ!?」    ジリジリと深恋に迫る僕。  もう僕を止められるやつはいない。そう思ったときだった。   「……なっ、なんだその姿は!」    今まで深恋が座り込んでいた場所に、巫女服に身を包んだ少女が立っていた。……誰だ?……深恋?   「なら、この稲垣深恋。巫女としてあなたを除霊するわ!」    なんと、超高速で着替えたようだ。   「ちっ」    舌打ちをして、後ずさる。  なんだ、この力。これが、これが巫女の力なのかっ!   「悪霊退散!」   「ぐ……ぐあぁ────────────!」   「……悪は滅びるのよ」   「く……だが、まだ甘いな」   「なんですって?」   「この姿の八雲悠が消えようとも、必ず第二、第三の八雲悠が現れることだろう……」   「そんな……やっと倒したのに!」   「ふふふ……所詮は見習い、だな。詰めが甘、い……(バタリ)」      ~終わり~      ……それはマズイ! なんか僕、めちゃくちゃ悪霊だったし、最後とかなんか魔王っぽかったし!  ていうか、深恋強いなおい。見習いのくせに、あんな強いのかよ。    僕が見習い巫女である彼女の顔をなんとなしに見ていると、目があってしまった。   「──っ!?」    刹那、目を逸らされた。    ……あれ、嘘。やばくない、これ? 僕、深恋に嫌われてない? だとすると、マジで僕、除霊されるかもしれない。……どうしよう。  そうだ。近々この辺で開かれる七夕祭りにでも誘って、新密度をアップするか。    覚悟を決めた僕が深恋に話しかけようとしたとき、本日三度目の扉が開く音が響いた。
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