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その頃幸はというと、駐輪場で自転車を停め、急ぎ教室に向かっている真っ最中だった。
キーンコーンカーンコーン……
「あ!よ、予鈴鳴っちゃった…急げ!!」
階段を急いで上ると、一番端に位置する2-Cの教室が見えてきた。
タッタッタッタッ………ガラッ!!
「お、おはようございます!!遅れてすいま…せ………ん?」
幸はいつもの光景と違う教室に違和感を感じた。
「あ…アレ?これって……てん…こう…せ…い自己紹介?…………転校生!?」
驚く幸に、教壇の上に立っている人族の先生がすかさずに返事を返した。
「そういう事、ハイハイさっさと席に着いた着いた。」
言われるがまま席に着くと、引き続き転校生自己紹介が進められた。
「じゃあ全員そろったところで自己紹介の続きをお願いするわね」
「…ハイ、今日からこの咲良ヶ丘高校に転校してきた柚木咲良です。よろしくお願いします」
行儀よく挨拶をしたその娘は、どこか凜としていて、背もちょうどいい位で、髪もショートで………可愛かった。
「ハイありがとう♪じゃあ席は……あそこがいいわね」
先生が指差した席は、窓際最後尾の風が心地いい昼寝スポットだった。
そして、僕の…すぐ後ろだ。
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