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「じゃあ咲良さん、授業始めるから席に着いてちょうだい」
「あのすいません、教科書とかまだ貰ってなくて、持ってないんですがどうしたら……」
「あ、そっかそっか、ん~…じゃあそこらの人に見してもらうしかないわね」
「あ、ハイ、分かりました」
そう言うと、咲良は軽く会釈すると先程先生に指定された席に着いた
さっそく授業が始まり、いつもの光景が戻ってきた
…かのように思えたが
幸は、彼女が、咲良が気になって授業に集中できないでいた
(うわぁ…どうしよ、臭くないかなぁ?さっきまで汗かいてたからなぁ…)
幸が心の中で自問自答していると、なにやら後ろから殺気の様なものを感じた
幸は恐る恐る振り返ると、さっきまで笑顔だったはずの転校生、柚木咲良が凄い剣幕で幸を睨んでいた
「…アンタ、名前は?」
さっきと声が全然ちがう、幸はそんな事を思いながらすぐさま答えた
「く、熊澤幸だけど…」
「熊澤君ね?…分かった」
咲良はそれだけ聞くと、なにを思ったのか急に立ち上がった
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