66人が本棚に入れています
本棚に追加
時は平安時代。
人か、鬼や妖怪と共存する社会――。
そんな中、都の一角で悲劇が起こった。
藤原為時(ふじわらのためとき)の屋敷で、為時本人が急に心の臓を押さえ苦しみ始めたのだ。
それを耳にした一人の娘……かの有名な文学女史・紫式部(むらさきしきぶ)が父がいる部屋まで早足でやって来た。
が、少し遅かったのか……為時は息を引き取った所だった。
「い……いやぁぁぁぁ!!!!!!」
*****
がばっ……!!
少女は上半身を起こすと同時に、大量の汗が流れていた。
(また……あの夢)
少女は内心そう思うと、布団から両足を出し床についてから立ち上がった。
そして、そのまま台所に行きミネラルウォーターを口に含んだ。
「……あの夢は私に“何を”訴えているの……?」
最初のコメントを投稿しよう!