序章

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時は平安時代。 人か、鬼や妖怪と共存する社会――。 そんな中、都の一角で悲劇が起こった。 藤原為時(ふじわらのためとき)の屋敷で、為時本人が急に心の臓を押さえ苦しみ始めたのだ。 それを耳にした一人の娘……かの有名な文学女史・紫式部(むらさきしきぶ)が父がいる部屋まで早足でやって来た。 が、少し遅かったのか……為時は息を引き取った所だった。 「い……いやぁぁぁぁ!!!!!!」 ***** がばっ……!! 少女は上半身を起こすと同時に、大量の汗が流れていた。 (また……あの夢) 少女は内心そう思うと、布団から両足を出し床についてから立ち上がった。 そして、そのまま台所に行きミネラルウォーターを口に含んだ。 「……あの夢は私に“何を”訴えているの……?」
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