序章

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(わかってますよ、“父上”) 東人は心配そうにする、もう一人の男性の事を“父上”と呼んだ。 “父上”と呼ばれた男…… 名を安部吉平(あべよしひら)と言う。 晴明の長男で、東人の実の父親でもあった。 彼の息子、東人は生まれて間もなく亡くなっておりその魂は吉平の手によって現代に転生されていた。 そして、その魂が今の東人だった。 東人は、父親の魂を無意識に自分の胎内に封じていた為に二重転生者となった。 ***** 晴明や吉平とのやりとりをしている中、クラスがざわざわと騒ぎ出した。 それは、転入生の姿がとても可愛らしかったから。 男子生徒の目は、半ばハートマークを見せていた。 勿論、東人を除いてはの話だが。
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