序章

7/8
前へ
/45ページ
次へ
漆黒の黒髪に、真ん丸瞳の可愛い少女が担任の真横に立った。 「自己紹介をしてくれるか?」 担任にそう言われると、少女は短く頷きクラスメイト立ちの方を真っすぐと向いた。 その時に、東人は少女から流れる気配に違和感を感じた。 その気配は何処か悲しく、黒い闇のような雰囲気を漂わせていた。 (なんだろう……この気配は) 東人は眉を潜め、半ば難しい表情を浮かべていると周りがふと静かになった。 「〇×高校から来ました藤原紫焔(しえん)といいます、よろしくお願いします」 藤原紫焔と名乗った少女は、満面な笑顔で挨拶をすれば軽く一礼した。 『藤原……』 東人の胎内で、吉平はぽつりと呟いた。 (何か思い当たる事でもあるの?)
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

66人が本棚に入れています
本棚に追加