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漆黒の黒髪に、真ん丸瞳の可愛い少女が担任の真横に立った。
「自己紹介をしてくれるか?」
担任にそう言われると、少女は短く頷きクラスメイト立ちの方を真っすぐと向いた。
その時に、東人は少女から流れる気配に違和感を感じた。
その気配は何処か悲しく、黒い闇のような雰囲気を漂わせていた。
(なんだろう……この気配は)
東人は眉を潜め、半ば難しい表情を浮かべていると周りがふと静かになった。
「〇×高校から来ました藤原紫焔(しえん)といいます、よろしくお願いします」
藤原紫焔と名乗った少女は、満面な笑顔で挨拶をすれば軽く一礼した。
『藤原……』
東人の胎内で、吉平はぽつりと呟いた。
(何か思い当たる事でもあるの?)
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