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夏休み三日前の今日も、学校は午前のみ。 その短い間に、早百合はみるみるしおれていき、放課後になる頃には、昨日と同じく、否、昨日以上に机にへばりついていた。 「ちょっとちょっと…早百合?…生きてる?」 あまりのへばりつき加減に香奈々は心配そうに尋ねた。 「…自信ない…」 へばりつた姿勢からピクリとも動かず応える早百合。 「…えとえと…帰れる?」 「…自信ない…」 「でもでも、バイトは?」 「…あ"ぁあ~…」 早百合は悩みながら呻く。 「…行かなきゃ…」 実は責任感の強い早百合だった。 「…うあぁあぁ!」 「おぉおぉ、凄い気合いだぁ!」 明らかに大袈裟に立ち上がる早百合と明らかに大袈裟に感心する香奈々。 誰かに見られたら恥ずかしいような場面だが、幸い他のクラスメイトはみんな下校していた。 .
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