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「あぁ~…あぢぃ…」 早百合は、昨日と同じスタイルで香奈々と歩いていた。 「…早百合、大丈夫…?」 早百合のこの状態はいつもの事だが、そうとわかっていても心配になってしまう程の姿なのだ。 「…自信ない…」 早百合は俯いたまま言う。 前を向いて歩かないと危ない、というのはさすがに今の早百合にとっては酷な忠告だろう。 「…」 「…」 今日も無言になる二人。 もう早百合との会話は諦めたのか、香奈々は昨日自慢していた携帯を取り出していじりだした。 今の香奈々になら先程の忠告も酷ではなかろう。 しかし、残念ながら香奈々に忠告出来る人間がいなかった(言うまでもなく、今の早百合には不可能だ)。 .
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